スペシャルインタビュー
新型コロナウイルスの影響が深刻になった5月に、歌手・タレントの中川翔子さんがYouTubeチャンネルで公開した音声漫画「コロナ対策のためにやるべきこと!を漫画にしてみた」(脚本・イラスト・音声:中川翔子)が、コロナの情報がまとまっていて子どもたちにも分かりやすいと評判を呼んでいます。
長年、保護猫活動を続けてきた中川さんは、3月にも「東京ボランティアポータル」のインタビューに登場し、活動への思いを語ってくれました。
【中川翔子さん】優しい世界を作るためのパズルのピースをみんなで少しずつ埋めていけたら
その後、コロナの影響で社会は一変しました。
中川さんも外出自粛生活が始まってすぐの頃は、仕事の再開の見通しも立たず、毎日不安で仕方がなかったといいます。そこからどう気持ちを立て直し、誰かのために行動しようとまで思えたのか。人と会うこと、移動することが難しい状況でもできる支援には、どんなものがあるんだろう。中川さんと一緒に考えてみました。
突然の自粛生活、
「私の人生終わった……」と
思ったけれど
━━新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中川さんの生活にはどんな変化がありましたか?
3月後半から4月、5月のお仕事がほぼなくなったので、外出自粛生活の序盤は「もうだめだ、私の人生終わった…」と激しく落ち込みました。人って、仕事とかやるべきことがないと生きるサイクルが成り立たないんですね。ただ家にいるだけだから、生活もすっかり昼夜逆転。ネガティブなことしか考えられなくなって、このままだと精神がもたないと思ったので、とりあえず仕事がなくなった不安は横に置いておいて、YouTubeをやってみることにしました。
━━4月に開設したYouTubeチャンネル「中川翔子の『ヲ』」ですね。
以前から興味があったのですが、忙しくてなかなか始めるきっかけがなくて。時間だけはたくさんあったから、まずはゲームの実況生配信からスタートしてみました。どすっぴんで、途中、ごはんを食べている姿もさらしながら喋り続けること12時間。これ、めちゃめちゃ楽しかったです。
Twitterやテレビだと自分が何を発信しても日々タイムラインに流れていってしまうけど、YouTubeなら自分の好きなものやそのときの感情をそのまま残せるし、誰にでも見たいときに見てもらえる。自分の生きた証がこういった形で残るのもいいなと思って、以降さまざまな動画をアップしてきました。
好きなことで心の余裕を
取り戻したら、
自分にできる
ことを考えるようになった
━━ゲームの実況動画やイラスト一発描き動画など、中川さんがひたすら好きなことをする動画の投稿が続く中で、5月7日に公開された音声漫画「コロナ対策のためにやるべきこと!を漫画にしてみた」は、それまでとは趣の異なるものでした。
不安でいっぱいだったときは自分と家族のことしか考えられなかったのですが、YouTubeで好きなことをしているうちに、周りを見渡せる心のゆとりもじわじわと戻ってきました。
4月は、連日ニュースでいろいろな業界のピンチが伝えられていましたよね。私の周りでも、医療従事者である友人が感染におびえながら懸命に働いていたり、大好きなお店がつぶれてしまったりと、みんなが大変な状況でした。誰かのために何かしたいと思っても自由に外に出られないことがもどかしくて、家にいてもできることはないかずっと考えていました。
そこで思いついたことの一つが音声漫画です。コロナに関する情報を、子どもたちにもわかるようにまとめてあげたいと思いました。「子どもたちのために何かをしたい」が私の芸能活動の軸なので、自分の得意なことを生かして作った動画で役に立てて、すごくうれしかったです。
━━今回、「東京ボランティアポータル」のためにも新たに「『どこでも共助』オリジナル音声漫画(脚本・イラスト・音声:中川翔子)」を制作していただきました。
大学一年生の女の子が主人公ですが、自分の実体験をベースに描きました。コロナに関するニュースは、恐ろしいものが多かった。でも一方で、輝くようないいニュースもたくさんありましたよね。コロナの渦中にあっても誰かのために行動してくれた人への「ありがとう」と、自分には何ができるか一生懸命考えたことを、全部マンガに詰めこみました。
「どこでも共助」オリジナル音声漫画
コロナで生活様式が一変しても
続けられるボランティアって?
━━外出自粛期間を経て、ボランティアへの意識は変わりましたか?
「誰かのために私にもできることがあるならやりたいな」という気持ちが、コロナ以前よりも自分の意識の真ん中近くに移動してきたように感じています。なにげなくニュースを見ていても、近所を散歩していても、「あ、こういう支援なら私にもできるかも」と思い巡らす瞬間が増えました。
本当は現地に行って消費して応援したいけど、今はできない。でも、情報を得さえすれば、どこにいたって誰かを助けることはできる。ピンチのニュースを知る機会が増えたぶん、「ボランティアとは!」と構えすぎることなく、誰かのためにできることを自然と考えるようになりました。
━━社会の変化によって、新しい助け合いの形も生まれていくのかもしれませんね。
ユーチューバーのHIKAKIN(ヒカキン)さんが医療従事者の方に一億円寄付したと知ったときは、「カッコイイ!」と思いましたが、自分にはそれはできません。私が力を入れている捨て猫の保護活動も、自分のできる範囲でやってきたからこそ長く続けてこられたので、支援は「無理をしないこと」が大前提です。
今回の音声漫画でも描いたように、たとえばSNSでテイクアウトした料理の感想をつぶやくことだって、ささやかかもしれないけど応援のひとつの形。つぶやきが他の誰かの目にとまって、その人がお店に足を運ぶことで笑顔の輪が広がるきっかけになるかもしれないし、「おいしい!」の一言だけでもきっとお店の人はうれしいと思います。
コロナの影響で人との距離はとらなきゃいけなくなったとはいえ、オンラインならいつでもどこでも誰とでも、心と心はつながれる。YouTubeで動画を配信するようになって再確認したのですが、人とのつながりは困難に立ち向かう力を与えてくれます。自分一人の力は小さくとも、つながっていくうちにとてつもなく大きな力になっていくものです。ぜひ、「これならできそうかも」から最初の一歩を踏み出してみてください。
中川 翔子(なかがわ しょうこ)
1985年生まれ、東京都出身。
歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「東京2020組織委員会マスコット審査会」メンバーとしてマスコット選定に携わり、東京都で聖火ランナーも務めることが決定していた。
また、2025年日本国際博覧会に向けた「万博誘致スペシャルサポーター」としても活動している。
2019年夏には、自身の経験を元に書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)を出版。以降は多数の講演会等に登壇し、多様化するいじめ問題に取り組んでいる。
中川 翔子(なかがわ しょうこ)
1985年生まれ、東京都出身。
歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「東京2020組織委員会マスコット審査会」メンバーとしてマスコット選定に携わり、東京都で聖火ランナーも務めることが決定していた。
また、2025年日本国際博覧会に向けた「万博誘致スペシャルサポーター」としても活動している。
2019年夏には、自身の経験を元に書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)を出版。以降は多数の講演会等に登壇し、多様化するいじめ問題に取り組んでいる。
中川 翔子(なかがわ しょうこ)
1985年生まれ、東京都出身。
歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「東京2020組織委員会マスコット審査会」メンバーとしてマスコット選定に携わり、東京都で聖火ランナーも務めることが決定していた。
また、2025年日本国際博覧会に向けた「万博誘致スペシャルサポーター」としても活動している。
2019年夏には、自身の経験を元に書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)を出版。以降は多数の講演会等に登壇し、多様化するいじめ問題に取り組んでいる。
[ 音声漫画で紹介された
「どこでも共助」に関連するリンク集 ]
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