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江藤家住宅、7年かけて修復 熊本地震
2025.04.15

2016年の熊本地震で激しく損壊した国の重要文化財で、江戸時代に建てられた熊本県大津町の「江藤家住宅」の修復工事が7年をかけて昨年、完了した。大きな建物や広大な敷地は、被災前から長年にわたって住民のボランティア組織が手入れや清掃を続けていた地元の宝物。「これからも大切に守りつづける」と誓いを新たにしている。
江藤家住宅は、江戸時代の豪農民家と武家屋敷の特徴を併せ持つ建造物。6200平方メートルの敷地には水路がひかれて石垣も積まれ、1830年ごろに建てられた主屋には22の部屋がある。熊本地震で柱が大きく傾き、壁の多くが壊れた。約3万枚の屋根瓦は8割が割れた。
復旧工事にかかった費用は13億5千万円余。災害復旧事業として国庫補助などがあり、85%を国、10%を県が補助したほか、町の補助金や寄付金などもあった。11代当主の江藤武紀さん(84)も850万円を負担。また復旧工事に該当しない改修費などもあり、江藤さんが工面した金額は2500万円にのぼった。
この江藤家住宅の管理活動に地域ぐるみで30年近く取り組んできたのが「江藤家住宅まもろう会」だ。庭の除草や樹木の刈り込み、建物内の掃除などをほぼ毎月のペースで続けている。年2回の一般公開ではガイド役なども務めている。
3月末にも建物内で総会を開き、今年度の活動計画を決めた。「9年前の被害にはショックを受け、立ち直れるのか心配だった。完全復旧できて新年度を迎え、感慨深い」と、松岡新一会長。総会後、約50人の会員たちは慣れた手つきで手際よく建物や敷地を手入れした。「ここは地域のシンボルだからね」と会員たち。
江藤さんは「ありがたいこと」と頭を下げた。このほど長屋門のそばに展示室を整備し、所有する文化財や歴史を分かりやすく案内できるようにした。展示品のなかで目を引くのが、江戸時代の豪華なかごだ。黒塗りのお忍び用で、西南戦争時に細川家の姫が疎開先から戻るのに使われた。
江藤さんは家族5人で主屋に暮らしている。復旧工事では、単に建物を原形へと戻すのでなく、土台に鉄骨を入れるなど、耐震性をより強化した。夏冬の暑さや寒さを避ける工夫も加えている。工事を担当した会社の坂田純一さんは「地震前から建物は傷んでおり、保存計画があった。被災をきっかけに『よりよい復旧』をしたのが特徴。地域の声が支えになった」と話している。(伊藤隆太郎)
江藤家住宅は、江戸時代の豪農民家と武家屋敷の特徴を併せ持つ建造物。6200平方メートルの敷地には水路がひかれて石垣も積まれ、1830年ごろに建てられた主屋には22の部屋がある。熊本地震で柱が大きく傾き、壁の多くが壊れた。約3万枚の屋根瓦は8割が割れた。
復旧工事にかかった費用は13億5千万円余。災害復旧事業として国庫補助などがあり、85%を国、10%を県が補助したほか、町の補助金や寄付金などもあった。11代当主の江藤武紀さん(84)も850万円を負担。また復旧工事に該当しない改修費などもあり、江藤さんが工面した金額は2500万円にのぼった。
この江藤家住宅の管理活動に地域ぐるみで30年近く取り組んできたのが「江藤家住宅まもろう会」だ。庭の除草や樹木の刈り込み、建物内の掃除などをほぼ毎月のペースで続けている。年2回の一般公開ではガイド役なども務めている。
3月末にも建物内で総会を開き、今年度の活動計画を決めた。「9年前の被害にはショックを受け、立ち直れるのか心配だった。完全復旧できて新年度を迎え、感慨深い」と、松岡新一会長。総会後、約50人の会員たちは慣れた手つきで手際よく建物や敷地を手入れした。「ここは地域のシンボルだからね」と会員たち。
江藤さんは「ありがたいこと」と頭を下げた。このほど長屋門のそばに展示室を整備し、所有する文化財や歴史を分かりやすく案内できるようにした。展示品のなかで目を引くのが、江戸時代の豪華なかごだ。黒塗りのお忍び用で、西南戦争時に細川家の姫が疎開先から戻るのに使われた。
江藤さんは家族5人で主屋に暮らしている。復旧工事では、単に建物を原形へと戻すのでなく、土台に鉄骨を入れるなど、耐震性をより強化した。夏冬の暑さや寒さを避ける工夫も加えている。工事を担当した会社の坂田純一さんは「地震前から建物は傷んでおり、保存計画があった。被災をきっかけに『よりよい復旧』をしたのが特徴。地域の声が支えになった」と話している。(伊藤隆太郎)