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筑波山のブナ林 守ろう 茨城県、200株の植樹プロジェクト 減退食い止めへボランティア活躍

2025.03.25
 筑波山で減退が続くブナ林を再生させようと、ブナの苗木200株を山頂付近に移植する活動が行われた。苗木は県が筑波大(茨城県つくば市)に生育を委託し、2年間かけて植樹できる大きさまで育った。今後は雑草除去などを続け、高さ約1~2メートルに育ったところでより広い場所に移し替える。

 10日に行われ、地域のボランティアサポーター12人らが参加。県が2019年に設置した「筑波山ブナ林保護対策委員会」委員長の田中信行・元東京農大教授の指導で、ケーブルカーで運んだ苗木を山頂付近の4カ所に分けて植えた。

 筑波山には存在しない微生物などを持ち込んで生態系に悪影響を与えないよう、苗木の根についた土はあらかじめ筑波大で落としてから植樹に向かった。

 田中さんによると、筑波山山頂付近のブナは氷河期の生き残りで、学術的に価値のある希少種。温暖化や人の立ち入りなどの影響で減少が続き、周囲に幼木の成長も見られないことから、保護の目的で今回の植樹プロジェクトが始まったという。

 今回の苗木は、22年10月に約1万2千個を採取した種から育てた。約500個が翌23年春に発芽し、苗木まで成長したのは約200株だった。田中さんは「植樹を成功させ、筑波山のブナ林の保護につなげていきたい」と期待を込めた。(渡部穣)