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子ども食堂の活動、災害時の炊き出しの訓練に 和歌山・橋本で集い

2025.02.14
 子ども食堂の活動そのものが、災害時の炊き出しの訓練になっている――。橋本・伊都地域で子ども食堂の運営に携わる人たち約30人が一堂に会し、防災への意識を高め合う集いが12日、和歌山県橋本市の県伊都振興局であった。
 講師を務めた久保井千勢さんは、認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の防災プロジェクトのメンバーで、東京都港区の防災会議委員でもある。「なぜ子ども食堂が地域の防災拠点となるのか?」という問いを立て、「それは地域にいる様々な人たちが連携し、定期的に開催されているボランティア活動だからです」と語った。
 さらに、子ども食堂自体の防災力を高めれば、災害時に子どもたちを守ることができるだけでなく、地域の防災力を高める一翼を担うことができる、と呼びかけた。
 昨年1月の能登半島地震の際には、「むすびえ」が構築してきた全国の子ども食堂のネットワークが被災地に支援物資を届けるうえで大きな役割を果たしたという。
 参加者たちは、子ども食堂を運営している最中に災害が起き、火事が発生したとの想定で、「大人役」と「子ども役」に分かれて防災訓練にも取り組んだ。
 訓練後の振り返りでは「火事だ、と大声で周知するのは大事だが、発達障害の子は大きな声でパニックになってしまうかもしれない。状況に合わせた声がけの仕方も考えていきたい」といった意見も出るなど、現場をよく知る当事者どうしで認識を深め合った。
 かつらぎ町の妙寺公民館で子ども食堂「もぐもぐカフェ」を運営する表具(ひょうぐ)弘さんは「ちょうどこの夏、子どもたちが1泊2日で避難所暮らしを疑似体験する防災体験学習を企画している。きょうの新たな気づきを現場で生かしていきたい」と話した。(大野博)