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スペイン洪水ボランティア、能登との違い 神戸国際支縁機構が報告
2024.12.17
国内外で災害被災地の支援活動などをしている一般社団法人「神戸国際支縁(しえん)機構」(神戸市垂水区)が、10月末に起きたスペイン洪水での活動や見聞を報告した。老若男女を問わず多くのボランティアが「ほうきを手にやって来た」といい、能登半島地震でSNSを中心に自粛ムードが漂った日本との違いについて論じた。
スペイン洪水ではこれまでに200人超が死亡し、欧州メディアは同国内では1973年の洪水災害以来、最悪の被害と伝えている。
最もひどかった東部バレンシア州に入ったのは、機構の代表を務める岩村義雄さん(76)と、事務局長の佐々木美和さん(32)の2人。甚大な被害を受けた同州の町パイポルタで11月9~13日、救援物資を配ったり、被災者への傾聴活動をしたりした。
岩村さんたちによると、泥だらけになった町中にはボランティアの「大群衆」が自発的にやってきて、泥かきや家財の運び出しといった被災者支援をしていた。
多くがほうきやシャベル、バケツ、食料、おむつなどを持参しており、行政がボランティアを管理することも特になかった。
中でも印象的だったのは、男女問わず若い世代が多く「顔をドロドロにして作業していた」ことや、食料や衣料などの物資を被災者かボランティアかの区別無くだれもが自由に受け取っていたことがあるとし、今の日本ではあまり見られない光景だったという。
佐々木さんは「スペインでは、都市部のマドリードから被災地へ大学生が平日に来ており、ボランティアの知識はなくても『突き動かされて飛び込んでいる人』が多かったように見えた」と語った。
能登半島地震の際にSNSを中心に「行かないことが支援」との言葉が出て、身近にいる若者たちが「迷惑になるから行けない」と二の足を踏んでいたのとは対照的だった、とした。
「ボランティア元年」と呼ばれた阪神・淡路大震災で初めて被災者支援や炊き出しなどを経験した岩村さんは「ボランティアは自発性、無償性、対話性が基本」と説き、そうした利他的な精神が日本でももっと尊重されるよう願うとの考えを示した。(雨宮徹)
スペイン洪水ではこれまでに200人超が死亡し、欧州メディアは同国内では1973年の洪水災害以来、最悪の被害と伝えている。
最もひどかった東部バレンシア州に入ったのは、機構の代表を務める岩村義雄さん(76)と、事務局長の佐々木美和さん(32)の2人。甚大な被害を受けた同州の町パイポルタで11月9~13日、救援物資を配ったり、被災者への傾聴活動をしたりした。
岩村さんたちによると、泥だらけになった町中にはボランティアの「大群衆」が自発的にやってきて、泥かきや家財の運び出しといった被災者支援をしていた。
多くがほうきやシャベル、バケツ、食料、おむつなどを持参しており、行政がボランティアを管理することも特になかった。
中でも印象的だったのは、男女問わず若い世代が多く「顔をドロドロにして作業していた」ことや、食料や衣料などの物資を被災者かボランティアかの区別無くだれもが自由に受け取っていたことがあるとし、今の日本ではあまり見られない光景だったという。
佐々木さんは「スペインでは、都市部のマドリードから被災地へ大学生が平日に来ており、ボランティアの知識はなくても『突き動かされて飛び込んでいる人』が多かったように見えた」と語った。
能登半島地震の際にSNSを中心に「行かないことが支援」との言葉が出て、身近にいる若者たちが「迷惑になるから行けない」と二の足を踏んでいたのとは対照的だった、とした。
「ボランティア元年」と呼ばれた阪神・淡路大震災で初めて被災者支援や炊き出しなどを経験した岩村さんは「ボランティアは自発性、無償性、対話性が基本」と説き、そうした利他的な精神が日本でももっと尊重されるよう願うとの考えを示した。(雨宮徹)