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英国発祥パークラン 運動不足のあなたも気ままに歩くなり走るなり
2024.11.16
茨城県下妻市の公園で、「パークラン」と呼ばれる交流イベントが毎週土曜日の午前8時に開かれている。健康診断で毎回のように運動不足をたしなめられる記者(54)。少し気後れしながらも「早起きは三文の徳」と自らに言い聞かせ、思い切って参加してみた。
9月のある土曜日。午前6時にセットした目覚まし時計で跳び起き、7時半ごろ会場の砂沼広域公園に着いた。この日は20人ほどが集まった。「こんにちは!」。運営を担うボランティアの皆さんの元気な声に促され、自己紹介した。
パークランは英国発祥のコミュニティーイベントで、日本国内では現在、約40カ所で開催されている。下妻市内では2022年11月から始まり、今年の10月5日に節目の100回を数えた。健康増進や交流を楽しみに市民ら延べ約1800人が踏破した。
参加者はタイムを記録するために、事前登録をする。ひとたび登録すれば、その後の参加のとき登録は不要だ。全員が顔をそろえたところで集合写真に納まった。
午前8時、スタートの合図と同時に市民ランナーが勢いよく駆け出した。距離は5キロ。「パーク」(公園)と「ラン」(走る)を組み合わせた語源から走ることだけをイメージしがちだが、制限時間はなく、参加スタイルは自由だ。私はウォーキングを楽しむ後方の一団に加わった。
歩きながら、ふと考えた。土曜日の8時といえば――。かつて夜のテレビ番組に「8時だョ!全員集合」があった。ザ・ドリフターズが繰り広げるドタバタ劇が語り継がれているが、こちらは静かな朝の公園。風や鳥のさえずりが心地よく感じられた。
腕を大きく振り、歩幅も大きく。笑顔を絶やさない周囲の人たちと、会話や景色を楽しみながらゴールをめざした。
起伏のない遊歩道を進むと、沼越しに筑波山が見え、カメラに収めた。「ここからダイヤモンド筑波が撮れるよ」。カメラが趣味で「用事がなければ毎回参加している」という70代男性が教えてくれた。ボランティアとして、最後尾から全体の安全を見守る青木一枝さん(75)も「四季の移ろいを感じます。色々な品種の桜も楽しめます」とニコリとした。
さらに進むと、沼にかかるY字型が特徴の砂沼大橋が見えてきた。「ゴールまでもう少し」。最後まで励まされながら、ゴールラインを越えた。午前9時前だった。
ゴールすると散会となるが、ボランティアスタッフから「お茶でもしていきますか」とねぎらいの言葉を受け、「ありがとうございます」の言葉がついて出た。園内に「砂沼庵」という施設があり、お茶やコーヒーを飲みながらだんらんも楽しめる。安全運営に重要な役割を果たしているボランティアも募っているそうだ。
仕事柄、夜な夜な机に向かうことが多く、早起きは正直苦手だ。「早朝イベント」に参加することはこれまでなかったが、その魅力を垣間見ることができた気がした。初期のころからボランティアを務める青木さんは、かつて市内のマラソン大会で出場を重ねた健脚の持ち主で、一度患った大病を克服した。別れ際に「歩けるうちは歩くのが一番の健康方法です」と教えられ、仕事を言い訳に日々の運動を怠っている私の生活習慣を省みた。
自宅へ向かう途中、ロードサイドの牛丼チェーンに立ち寄り、タッチパネルで格安の朝食メニューを選んだ。「これも三文の徳かな?」。ひとりごちてみた。(床並浩一)
9月のある土曜日。午前6時にセットした目覚まし時計で跳び起き、7時半ごろ会場の砂沼広域公園に着いた。この日は20人ほどが集まった。「こんにちは!」。運営を担うボランティアの皆さんの元気な声に促され、自己紹介した。
パークランは英国発祥のコミュニティーイベントで、日本国内では現在、約40カ所で開催されている。下妻市内では2022年11月から始まり、今年の10月5日に節目の100回を数えた。健康増進や交流を楽しみに市民ら延べ約1800人が踏破した。
参加者はタイムを記録するために、事前登録をする。ひとたび登録すれば、その後の参加のとき登録は不要だ。全員が顔をそろえたところで集合写真に納まった。
午前8時、スタートの合図と同時に市民ランナーが勢いよく駆け出した。距離は5キロ。「パーク」(公園)と「ラン」(走る)を組み合わせた語源から走ることだけをイメージしがちだが、制限時間はなく、参加スタイルは自由だ。私はウォーキングを楽しむ後方の一団に加わった。
歩きながら、ふと考えた。土曜日の8時といえば――。かつて夜のテレビ番組に「8時だョ!全員集合」があった。ザ・ドリフターズが繰り広げるドタバタ劇が語り継がれているが、こちらは静かな朝の公園。風や鳥のさえずりが心地よく感じられた。
腕を大きく振り、歩幅も大きく。笑顔を絶やさない周囲の人たちと、会話や景色を楽しみながらゴールをめざした。
起伏のない遊歩道を進むと、沼越しに筑波山が見え、カメラに収めた。「ここからダイヤモンド筑波が撮れるよ」。カメラが趣味で「用事がなければ毎回参加している」という70代男性が教えてくれた。ボランティアとして、最後尾から全体の安全を見守る青木一枝さん(75)も「四季の移ろいを感じます。色々な品種の桜も楽しめます」とニコリとした。
さらに進むと、沼にかかるY字型が特徴の砂沼大橋が見えてきた。「ゴールまでもう少し」。最後まで励まされながら、ゴールラインを越えた。午前9時前だった。
ゴールすると散会となるが、ボランティアスタッフから「お茶でもしていきますか」とねぎらいの言葉を受け、「ありがとうございます」の言葉がついて出た。園内に「砂沼庵」という施設があり、お茶やコーヒーを飲みながらだんらんも楽しめる。安全運営に重要な役割を果たしているボランティアも募っているそうだ。
仕事柄、夜な夜な机に向かうことが多く、早起きは正直苦手だ。「早朝イベント」に参加することはこれまでなかったが、その魅力を垣間見ることができた気がした。初期のころからボランティアを務める青木さんは、かつて市内のマラソン大会で出場を重ねた健脚の持ち主で、一度患った大病を克服した。別れ際に「歩けるうちは歩くのが一番の健康方法です」と教えられ、仕事を言い訳に日々の運動を怠っている私の生活習慣を省みた。
自宅へ向かう途中、ロードサイドの牛丼チェーンに立ち寄り、タッチパネルで格安の朝食メニューを選んだ。「これも三文の徳かな?」。ひとりごちてみた。(床並浩一)