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国史跡保全へ、学生らが漂着ごみ回収 対馬・越高遺跡

2025.04.03
 縄文時代に朝鮮半島と九州で交流があったことをうかがわせる長崎県対馬市の越高(こしたか)遺跡そばの海岸で3月16日、ボランティアの学生らが漂着ごみの清掃をした。遺跡は3月に国史跡に指定されたが、漂着ごみが保全や活用の妨げになっており、史跡の環境保全に貢献しようと県内外の学生らが参加した。
 越高遺跡は約7100~6400年前の縄文時代の遺跡。朝鮮半島の南海岸地域で見られる隆起文土器や石組みの炉跡が発見された一方、石器の黒曜石は九州北西部から持ち込まれており、当時の渡来人が九州の縄文人と交流しながら生活していたと推測される。
 近年はシカの食害による斜面崩壊や大雨などにより、遺跡の損壊が懸念されるほか、漂着ごみが課題となっている。
 清掃活動に取り組んだのは、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)と、対馬で海洋ごみ問題に取り組む一般社団法人対馬CAPPAの約80人。時おり雨が降り肌寒い中、6時間ほどかけて大量の流木や漁具などのプラスチック類約77立方メートルを回収した。
 対馬での海岸清掃は6回目という埼玉県在住の東洋大4年、遠藤陣さん(22)=当時=は「対馬は古くから大陸と交流があり、日韓の人々をつないでくれる場だと感じる」と話していた。
 対馬CAPPAの上野芳喜代表理事(68)は「IVUSAの活動に元気をもらっている。今後も活動を続けてほしい」と話した。(エリアリポーター・佐藤雄二)